茨城県つくば市は同県南部に位置する面積約284平方キロメートル、人口約23万人の街である。東は土浦市に接し、霞ヶ浦に近い。西は小貝川を挟んで下妻市、常総市に接する。北には関東の名峰と称される筑波山がそびえ、南はウナギで有名な牛久沼に接する。

この街は1960年代から筑波研究学園都市として整備され、筑波大学などの教育機関や国、企業の研究所が約300集結してきた。世界にその名が知られたのは、85年に開催された国際科学技術博覧会、通称「つくば万博」だった。

つくば万博は70年に大阪で開催された日本万国博覧会以降、久方ぶりに日本で開催された本格的な博覧会だった。87年には大穂町、豊里町、谷田部町、桜村が合併し、つくば市が誕生。だが、その後、同市は首都圏のベッドタウンとしては発展できずにきた。

神奈川県茅ヶ崎市、埼玉県鴻巣市、茨城県取手市などと同じく、都心から50キロメートル圏にあったとはいえ、JR常磐線と関東鉄道常総線に挟まれ、交通の便がいいとは言いがたいのがネックだったのだ。

街としての弱点を克服したきっかけは、2005年のつくばエクスプレス開通だった。快速を利用すると、つくば駅から都内の秋葉原駅までは45分でアクセスできる。東京駅から同じ50キロメートル圏の茅ヶ崎駅までも、東海道線の通勤快速で48分と同程度で、新たな首都圏のベッドタウンとしての発展が期待されたのだ。

開通の効果で明暗

開業から約14年が経過し、路線開通の思惑どおり、柏の葉キャンパス駅や流山おおたかの森駅の周辺では、都心への通勤客を当て込んだマンションや商業施設の開設が相次いだ。休日になると両駅周辺には多くの住民が集い、街には活気があふれている。