一部の外務省幹部が、朝日新聞を舞台に首相官邸を貶(おとし)める情報操作を行っている。

そもそもは、ある局長級以上の幹部が朝日新聞に、6月29日の日ロ首脳会談において平和条約(北方領土)交渉に関する合意文書が出されないというリークを行ったのが発端だ。〈日ロ両政府は29日の首脳会談で、成果をまとめた共同文書は出さない方針を固めた。複数の日本政府関係者が明らかにした。安倍政権は当初、今回の会談で平和条約の大筋合意を目指したが断念。その代わり、北方四島での共同経済活動での進展をはかったが交渉が難航。共同文書も出せないという首相にとって厳しい事態になった。

複数の政府高官は首脳会談後に共同声明や報道機関向け声明について「出さない」と語った。今回の首脳会談では、平和条約と共同経済活動について交渉を続ける方針で一致する程度にとどまるとみられる。プーチン大統領は28〜29日に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため、来日する。

共同経済活動をめぐっては、2016年12月の首脳会談で協議入りで合意。島の特性に応じたツアーの開発やごみの減量化などの5分野で実施を目指しており、これまで局長級や課長級の作業部会を設けて交渉を続けてきた。

20日にはモスクワで森健良外務審議官とロシアのモルグロフ外務次官らが交渉。焦点は共同経済活動を行うための人の移動だったが、北方領土の主権を主張する両国が、それぞれの立場を損なわない「特別な制度」をめぐって折り合えなかった。〉(6月26日「朝日新聞デジタル」)