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『ハピネス・カーブ 人生は50代で必ず好転する』 『デモクラシーの宿命 歴史に何を学ぶのか』ほか

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『ハピネス・カーブ』ジョナサン・ラウシュ 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

[Profile]Jonathan Rauch/米ブルッキングス研究所シニアフェロー。ジャーナリスト、『アトランティック』編集者。公共政策、文化論、政府に関する書籍、記事を執筆。主な寄稿先は『ザ・ニュー・リパブリック』「ニューヨーク・タイムズ」『アステイオン』など。2005年、全米雑誌賞受賞。

中年の危機は永続しない、安心して歳を重ねよう
評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

1人当たり実質所得が1万ドルに達すると、人が環境に順応するため、所得増加が幸福度の向上にはつながらなくなる。米国の経済学者イースタリンが唱えた幸福のパラドックスと呼ばれる現象だが、近年、さらに驚くべき現象が報告された。幸福度は加齢に沿ってU字カーブを描くという。

もちろん一人ひとりの幸福度は個別の要因に影響される。ただ、年齢の要因だけを取り出すと、青年期は低下が続き、40~50歳代前半の中年期にボトムを打って、その後は幸福度が高まる。

本書は、著名ジャーナリストが幸福の経済学や心理学、生物学などの最新の知見をもとにU字カーブをわかりやすく解説したものだ。素晴らしい業績を達成しても満足できず、わけもなく落ち込む多くの働き盛りの中年層。40代にスランプに陥った自らの体験が本書の執筆動機だ。誰にでも起こる普遍的な現象だが、ほとんど認識されていない。大型の霊長類でも同様の現象が観察されるという。

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