小石川を改革した手腕発揮

職員室は生徒が休み時間に質問や相談に来やすいよう、オープンなつくりになっている(撮影:尾形文繁)

女子校や共学に比べ、男子校はグローバル化の対応が遅れている学校が多い。成城中学校・高等学校も海外研修のないドメスティックな男子校だったが、それを変えたのが2013年に赴任した栗原卯田子校長だ。都立小石川中等教育学校で校長を務め定年退職したが、その手腕を見込まれ、成城の校長に就任した。

栗原校長は、着任後すぐに動いた。きっかけは、前任校の小石川で海外研修が導入されていたことを知った生徒が「先生、僕たちも海外に連れていってくれますか」と校長室を訪ねてきたことだった。

「海外研修はプログラムの作成や受け入れに時間がかかり、就任初年度で即とはいかない。それなら海外の大学生を本校に呼び込もうと考えた」(栗原校長)。小石川時代のつてを頼りに、米国の名門・カリフォルニア大学デービス校に学生の派遣を依頼。同校の快諾を受けて、エンパワーメント・プログラムが始まった。

同プログラムは学生1人に生徒5人のグループで5日間交流するもの。栗原校長は「シャイな生徒でも、大学生が意見を引き出してくれる。ネイティブの学生と英語で会話することで、生徒は自分の壁を破ることができる」と話す。

就任から3年目には、台湾と豪州への海外研修を実現。台湾研修をきっかけに台湾の大学に進学した生徒も出るなど、グローバル教育の成果が出始めている。

夏・冬期の進学講習を無料にするなど、さらなる学校改革にも着手している。18年度を最後に高校募集を停止し、完全な中高一貫校に移行する。さらに、「文理を分ける時代ではない。これを機にカリキュラムを見直し、文系理系を緩やかに融合させて、生徒に広い教養を身に付けさせたい」(栗原校長)。