参院選は安倍1強政治にさらなる時間を与えた(写真は応援演説を行う安倍首相)(日刊現代/アフロ)

喉元過ぎれば熱さを忘れる、というのは世の常だが、忘れてはいけないこともある。7月21日投開票の参議院選挙のことだ。

この国の舵取りをどの党に任せるかを決める政権選択の衆議院選挙と違って参院選は本来、中間評価的な側面が大きい。しかし、現在の安倍晋三政権はすでに発足から6年半余り経っている。さらに今回改選された与党候補者は、参院で過半数を割るねじれを解消、安倍1強常態を決定的にした2013年の参院選で当選を果たしている。実態としては安倍政権の成果、実績を問うものでなければならなかったが、はたしてそうであったか。

「デフレからの脱却」を目標として掲げた大規模金融緩和を柱とするアベノミクス、「戦後日本外交の総決算」という位置づけの下で進められたロシアとの北方領土返還交渉、北朝鮮による日本人拉致問題はいまだ結論を出すに至っていない。成果は出なかったと判断するのか、まだ道半ばだから、さらなる時間が必要だと見なすのか。結果だけ見れば、安倍首相にさらなる時間を与えたことになる。

年金問題での愚挙

有権者が政策課題とともに吟味しなければならないのは、まず、この国の政治のあり方がどう変化したか。より具体的に言えば、安倍首相の最高指導者としての姿勢がいかなるものになったかである。

自分たちにとって都合の悪いことが起きたらまず「なかったこと」にして、議論の場さえ設けようとせず、いよいよごまかせなくなったら責任を官僚に押し付ける。国家を率いる者の自覚と矜持を失ったとしか思えないような振る舞いが、あまりにも目立つようになったからだ。