世界で最も権威のある広告賞である「カンヌライオンズ」。2019年のグランプリの1つに選ばれたのは、米ナイキのプロモーション映像だった。

「Dream Crazy」と題されたその映像には、周りから「ばかげている」と揶揄された夢を諦めず実現してきたヒーローたちが紹介されている。難民として生まれながら、16歳で国の代表チームに入ったサッカー選手、子供の頃に片手を失いながら、米NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)との契約に成功したアメフト選手……。そして、ナレーターはこう語りかける。「信じ続けろ。すべてを犠牲にしても」。

映像の途中で、ナレーターは元NFL選手のコリン・キャパニックであると判明する。サンフランシスコ49ersのクオーターバックだった彼は、16年の試合で国歌斉唱時の起立を拒み、当時のバラク・オバマ大統領も巻き込むような論争の主人公になった。