6月25日の株主総会では株主からさまざまな疑問が出た

創業家会長追放劇の余波がいまだ収まらない精密ばね大手のアドバネクス。昨年の定時株主総会では、取締役全員の再任を提案する会社提案に対し、加藤雄一会長を含め4人の取締役交代を提案する修正動議が決議され、創業家会長は事実上解任された。

加藤元会長は総会決議の不存在を主張し会社を相手に東京地裁に提訴。今年3月の一審判決は、元会長の復帰を認めなかったが、修正動議で候補に挙げられた社外取締役の就任は無効とした。アドバネクス、加藤元会長の双方が1審判決を不服として東京高裁に控訴している。

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6月25日に開かれた今年の株主総会では、加藤元会長が株主として取締役選任案を提案。自らの取締役復帰を目指した。

議長の柴野恒雄会長兼社長が決算内容や議案の説明を一通り終えた後、株主提案の内容説明を「5分間以内で」と元会長の加藤雄一氏に求めた。

「出席番号32番、加藤雄一です。今回株主提案をさせていただくのは、現在アドバネクスが『一株主』を向いて経営されている実態に対して、問題を感じたからであります」

加藤元会長はそう切り出した。以下、独自取材で判明した総会でのやりとりを前後編の2回にわたって再現する(発言者の敬称は略、発言への記者解説は青囲みで表示)。

加藤 前回の株主総会で『大株主』が、持株会(アドバネクスに原材料および製品を納入する業者が主体となっているアドバネクスパートナーシップ持株会)の理事長という立場を使って、その権限を乱用し自分の動議案の賛成に使った形で決議がなされてしまったようになっています。持株会の方々が会社案に賛成しているにもかかわらず、です。