英中央銀行のイングランド銀行(BOE)で金融機関の監督に携わっている人々には「毎週、シェークスピア全集ばりの膨大な資料が届くようになっている」。BOEが先日発表した報告書「金融の未来」で、調査を指揮したヴァン・スティーニス氏はそう書いた。監督業務が高度に複雑化し、情報量が爆発的に増えていることを示すエピソードだ。

ヴァン・スティーニス氏は、テクノロジーを味方につけるべきだと力を込める。金融情報を精査し、リスクを特定するのに、人工知能(AI)などをもっと活用するということだ。同氏はまた、金融監督業務が複雑化しているのは、監督機関が多数存在し、主導権争いが起きていることにそもそもの原因がある、とも指摘している。

中でも問題が切迫してきているのが決済システムの分野だ。フェイスブックのデジタル通貨「リブラ」など新しい決済手段が次々と登場する中、決済システムの監視は格段に難しくなってきた。その結果、各監督機関がバラバラに介入する事態となっているのである。