諦念に支えられた安倍政治、参院選は変化を喚起できるか 自民党に現状維持を許していいのか

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参議院選挙の最大の課題は、日本の有権者が政治的シニシズムや諦めから脱却できるかどうかだ。

参院選は野党にとっても瀬戸際だ(写真は与野党の党首討論会)(Natsuki Sakai/アフロ)

現在、参議院選挙の選挙戦の真っただ中である。第2次安倍晋三政権が発足して6年半余りが過ぎ、このまま推移すれば、首相は今年秋に憲政史上最長の政権在任記録を樹立する。ゆえに、参議院単独の選挙といえども、政権の継続に対する国民の賛否を表明する重要な機会となる。

この1カ月余りの間、参院選での勝利を図るための政権与党の動きは醜悪であった。6月3日に金融審議会のワーキンググループが、95歳まで生きる人は年金以外に2000万円の金融資産が必要という報告書を発表し、国民の不安を高めた。金融審議会が庶民の老後を心配する道理はなく、この報告書は各種の社会経済指標を組み合わせ、一定水準以上の生活を営む現役世代に対し老後に備えた資産形成を促すものであろう。さらに言えば、投資信託を買って経営難の銀行を助けろという含意もあると思われる。しかし、麻生太郎財務相・金融担当相はこの報告書を受け取らないと言い出し、安倍首相は金融庁を「大ばか」とののしったと報じられた。

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