なかぞら・まな●1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

直近のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合とECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁講演では、いずれも金融緩和の方向が明白に打ち出された。欧米ともに足元の経済指標が極端に悪化してはいないだけに、先行き不透明感が高まるリスクに先手を打つ保険と受け止めてよい。

先見的な緩和バイアスは中央銀行が金利正常化を志向していた2018年とは正反対の動きであり、社債市場のスプレッド(信用リスクに応じた利ザヤ)縮小を後押しし、かつ、価格上昇を長期化させる材料となる。ECBの新総裁に指名されたラガルド氏(11月1日就任)がさらなる緩和強化で臨む可能性さえある。

背景には、世界的に成長見通しがあまり明るくないことと、先進国間の関税引き上げ問題などの地政学的な不確定要因の存在がある。後者でサプライズとなるイベントがあれば、スプレッドの急激な拡大をもたらすリスクがあることを、一応踏まえる必要もある。