日本の広告代理店には大きく分けて4つの職種がある。営業、ストラテジープランナー、メディアプランナー、クリエーターだ。社長にまで上り詰めるのは営業出身者が多く、ここが花形部署に見えるかもしれない。

だが、実務の現場において、存在感も発言力も際立っているのはクリエーター、それも制作全体を統括するクリエーティブディレクターだ。広告主からの「ご指名」は多く、代理店切り替え交渉の切り札になることもある。「○○を出すので、メインをうちに切り替えてほしい」といった具合だ。

広告キャンペーンのパターンが画一的で、差がつきにくかったマスメディアの時代は、クリエーターの発想力やアイデアの力が勝負を分けることが多かった。神のように崇められるクリエーティブディレクターもいた。その仕事ぶりはストイックで、クオリティーに徹底的にこだわる。納得がいくまで深夜になっても延々と仕事が続くことは珍しくなかった。