せと・たけし●1978年生まれ。明治大学中退後の2003年に健康コーポレーション(現RIZAPグループ)を設立。豆乳クッキーの通信販売が大ヒットし06年に株式上場。近年は12年開始のボディーメイクジム事業と積極的な企業買収に注力してきた。(撮影:尾形文繁)
企業買収による拡大戦略の修正を余儀なくされたRIZAPグループ(以下、ライザップ)。創業者で同社を率いる瀬戸健社長が、これまでの買収を振り返り自身の考える「失敗の本質」を語った。

──買収攻勢が頓挫した原因は何にあったと思っていますか。

あまり言うと言い訳がましくなるが、すべて失敗したように捉えるのは事実と異なる。子会社に出資した際の価格とそれら企業の現在の時価総額をぜひ比較してもらいたい。女性向け補整下着のMRKホールディングスを例にすると、出資前の直近6カ月の平均株価は100円だったが、当社はディスカウント価格の1株50円で取得している。それに対して現在の株価は170円前後ある。

ただし、成長したり新しい価値を創造したりするための「手段」であった買収が、「目的化」していた。買収に至るまでのプロセスやリスクの検証が、社内でいつしかできてしまった空気の中で甘くなっていたことは否めない。

──それらが前2019年3月期決算で計上した、買収子会社での店舗閉鎖や商品在庫評価減などを中心とする93億円もの構造改革費用へとつながりました。

実質的には売れ残りの在庫となっているのに売り続けることをやめず、処理が結果的に遅れていたものがあった。もちろん、処理を先送りしろとは一度も言っていない。だけど単年度でも利益をしっかり上げていこうという中で、損失を確定しづらい状況になっていた。販売をやめるなど、しかるべき意思決定ができていなかった。

嫌われようとも関与を強めるべきだった

──グループに入れた時点でそのような意思決定をすることはできなかったのでしょうか。