ささき・とおる●2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

世界の中央銀行の金融緩和競争が激しくなってきた。

JPモルガンは世界の31の中央銀行の金融政策を分析対象範囲としているが、現在はそのうち19の中銀が今後1年間で利下げを行うと予想している。トランプ米大統領が2000億ドル分の中国からの輸入品に25%の関税を課すと発表する前の4月末の段階では、利下げが予想される中銀は7つにとどまっていたため、この2カ月間で一気に世界で金融緩和予想が拡大したことになる。

JPモルガンが算出する世界の中銀の政策金利加重平均値は現在2.72%だが、これが1年後には2.35%まで低下すると予想している。2016年後半には2%ちょうどまで低下していたので、その当時と比べると水準は高いが、15~16年と似たようなマグニチュードで世界の政策金利が低下する見通しになった。