迷いを断つためのストア哲学(マッシモ・ピリウーチ 著/月沢李歌子 訳/早川書房/2000円+税/288ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
【著者プロフィル】Massimo Pigliucci/米ニューヨーク市立大学の哲学教授。ローマ出身。イタリアのフェラーラ大学で遺伝学、米国のコネチカット大学で生物学、テネシー大学で哲学の博士号を取得。ほかの著書に『Answers for Aristotle(アリストテレスへの答え)』など。

「ストア派」は、紀元前5世紀のソクラテスの思想から派生したヘレニズム哲学の一派で、紀元前3世紀初頭にキプロス島出身のゼノンが創始した。「ストア哲学」ともいう。

ストアという名は哲学者のゼノンが、古代ギリシャの都市アテナイの列柱廊(ストア・ポイキレ)で自らの思想を説いたことに因(ちな)んだもので、英語の「ストイック」はこれを語源としている。

ストア派はヘレニズム時代からローマ帝国時代にかけて最盛期を迎えた。

「哲人皇帝」と呼ばれ『自省録』で有名なマルクス・アウレリウスをはじめ、多くの皇帝がストア派を信奉した。またストア派は、皇帝ネロの顧問を務め、『人生の短さについて』などの名著を残したセネカや、『語録』『提要』を著したエピクテトスなど、高名な哲学者を輩出した。しかしその後、ローマ帝国に広まったキリスト教の教義と相いれないことから廃れていった。