大阪でのG20 (20カ国・地域)首脳会合は、米中の首脳が久しぶりに顔を合わせる機会を提供した。ただ、米国が3000億ドル相当の中国製品に追加関税を課す「第4弾」の対中制裁はいつ発動されてもおかしくない。両国の関係は雪解けとは程遠い。中でも見過ごされがちなのは中国の「空気」の変化だ。

中国共産党機関紙・人民日報は2000億ドル相当の第3弾制裁が実行された5月10日からしばらく沈黙した後、5月14日から同22日まで米国批判の論説を9回にわたり掲載した。主題は知的財産の窃取や技術移転の強制など具体的な論点から、文明の衝突論への批判などといった大テーマまで幅広い。

署名は「鐘声」とある。これは中国語で発音が同じ「中声」の読み替えで、意味するところは「中国の声」、あるいは「中央の声」。この署名による論説は、国際問題に対する共産党中央のスタンスの表明だと受け止められている。