「雑多さが生む渋谷の活力『東急色』だけに染めない」
東急不動産副社長 都市事業ユニット所管 岡田正志

おかだ・まさし●1958年岡山県生まれ。82年東急不動産入社。ビル事業本部などを経て2019年より現職。(撮影:今井康一)

ずっと渋谷にいてもらいたい。われわれの不動産開発の根底にはそんな理念がある。時には開発のスピードがベンチャー企業の成長に追いつかないこともあるが、目先の需給だけを見ていてもよくない。街に魅力があれば、渋谷を一度出た企業も戻ってきてくれる。

開発するビルも、働く人たちが創造力を発揮できる空間を目指している。バルコニーで仕事ができるレイアウトにしたり、LGBT(性的少数者)対応のトイレを設置したり。当社は今夏に渋谷の新社屋へ移るが、緑や光を感じられるオフィスが働き方にどんな影響を与えるか、社員自ら実験台となって脳波を測定する予定だ。

計画的でない街づくり

渋谷のエネルギーの源泉は、雑多で混沌とした、何でもありの気風だ。それがベンチャー企業を生む土壌にもなっている。再開発で大きなビルを建てると計画的な街になりやすいが、よく考えないといけない。渋谷を「東急色」だけに染めてしまっては、面白くないでしょう。