渋谷駅周辺の新ビルには多くのIT企業が集まる(Ryuji / PIXTA)

再開発が花盛りだ。東京都心は昨年からビルの竣工ラッシュを迎えているが、「オフィスが足りない」という声は依然根強い。企業業績の回復によって賃料を負担する余力が生まれたほか、採用強化で既存のオフィスが手狭になって増床したり、新しいビルや好立地のオフィスへ移転したりする例が相次いでいるためだ。

中でもIT企業の増床ペースはすさまじい。SNS大手のLINEは2017年に本社を渋谷ヒカリエからJR新宿ミライナタワーへ移転。床面積は推定約2700坪から約5900坪へと倍増した。さらに昨年末には、四ツ谷駅前や新宿駅前で開発中のものを含む都内4カ所のビルにオフィスを増床すると発表した。

中小企業の成長も速い。16年に設立された、住宅ローンの比較サービスを展開する「iYell(イエール)」は、今年4月の従業員数が109人と、1年間で42人も増えた。道玄坂に構える100坪程度の本社も手狭になり、「渋谷を中心に200~300坪程度のオフィスを探している」(石黒萌・社長室副室長)。

デベロッパーにとって高成長のベンチャー企業は、オフィスを借り増ししてくれる優良顧客。「テナントとして入っていた企業が育ち、増床ニーズが高まった」(オフィス仲介のビルディング企画の古川徹・取締役営業部本部長)ことも大型再開発を後押しする。

「出世ビル」をつくり出せ、主戦場は「床」から「場」へ