いとう・ひろやす●1934年生まれ。59年立教大学経済学部卒業、中央魚類入社。77年取締役、89年常務、95年専務、97年社長、2010年6月から現職。一般社団法人豊洲市場協会会長、一般社団法人大日本水産会相談役も務める。(撮影:尾形文繁)
豊洲市場が開場して8カ月余り。東京都が約5700億円かけ、閉鎖型の低温管理施設として整備したが、水産物の取扱量は築地市場時代より落ち込んでいる。改正卸売市場法施行も控える中、豊洲市場の将来はどうなるのか。水産卸大手・中央魚類の会長で、業界団体トップとしても移転問題に取り組んできた伊藤裕康氏に聞いた。

──豊洲市場が開場した昨年10月から今年4月までの水産物取扱量は前年同期比6%減少しました。

私は市場移転問題に30年以上関わってきたが、やっと移転が実現し、思ったよりも順調に市場として動き出せたことは、まずよかったと思う。取扱量の減少については、卸売市場全体のトレンドに加え、新市場にまだ不慣れなことや、有力な仲卸業者の廃業が影響している。顧客のアクセスも築地に比べハンディがある。今後、市場としての評価が定まるには長い時間がかかる。築地のようなブランドは、一朝一夕に確立できるものではないと考えている。

──閉鎖型の低温管理施設の強みは発揮されていますか。