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福井県版「下町ロケット」、県民衛星の画期的な挑戦 民間宇宙開発の新しい形

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電波暗室の説明をする福井県工業技術センター、企画支援室長の山本雅己さん。広さ約3000平方メートル、高さ3.6メートル、施工はTDKと日本シールドエンクロージャーだ(撮影:山根一眞)

上の写真の不思議な部屋は通称「電波暗室」。人工衛星が送受信する電波を宇宙空間と同じ環境でチェックするための特殊な部屋だ。この部屋は外から入る電波を遮断するだけでなく、衛星が発する電波の反射も防ぐため、電波吸収体で覆われている。

JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)などで同じような電波暗室を見たことがあるが、まさか、ここにあるとは思ってもみなかった。「ここ」とは、福井県工業技術センター(福井市川合鷲塚町)。福井県が宇宙産業に参入するために設置した施設なのである。

民間から宇宙への進出がさかんになっている中で、福井県は宇宙産業への参入を開始し、2020年に最初の「県民衛星」を打ち上げる予定だ。「県」としては日本初の試みだが、なぜ自治体が宇宙に取り組むのか。公益財団法人ふくい産業支援センター常務理事で、福井県工業技術センター(以下、工業技術センター)の前所長、強力(ごうりき)真一さんを訪ねた。

県民衛星の模型と強力真一さん。神戸大学大学院出身だが機械の技術職として県工業技術センターに就職(撮影:山根一眞)
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