大分県国東市は同県北東部にあり、瀬戸内海に突き出た丸い形の国東半島の東半分を占める。半島は標高721メートルの両子山(ふたごさん)を筆頭とする両子山火山群で形成されており、海岸部は複雑な地形のリアス式海岸となっている。

市内は急峻な山々に阻まれ、鉄道が走っていない。国東市の近くを走るJR九州日豊本線は、福岡県の小倉駅から鹿児島駅に至るが、電車は宇佐市の豊前長洲(ぶぜんながす)駅から南に折れ、半島を避けるように南の海岸側にある日出(ひじ)駅へと抜ける。国東市には途中の宇佐駅や杵築(きつき)駅からバスに乗ってアクセスすることになる。

一方、国東市は空の玄関口を確保している。大分県唯一の空港である大分空港があるのだ。しかし、空港に降り立つ観光客の多くはリムジンバスに乗り、そのまま別府や由布院、大分方面に向かう。

こうした事情もあり、国東市は近年、人口減少と高齢化に悩まされてきた。2009年4月末に約3万3500人だった人口は、19年4月末時点で約2万7900人へと、10年間で約17%減少した。高齢化率も40%を超えており、街中を歩いても若い人の姿を見かけることは少ない。