日本でも始まった「アマゾンフレックス」。軽貨物車を保有し、指定の窓口で「黒ナンバー」と呼ばれる事業用のナンバーを取得すれば、誰でも配達業務を行える。軽貨物車はリースでも可。米国では徒歩での配達も行っている(写真は物流施設の外観)(撮影:尾形文繁)

宅配最大手のヤマトホールディングスが、急増するアマゾンの荷物量に音を上げた「ヤマトショック」から約2年。この間、ヤマトは荷物の取扱量抑制や運賃の値上げを進め、業績を大幅に回復させた。

一方でヤマトの代わりにアマゾンの配送を担ってきたのが、「デリバリープロバイダ」と呼ばれるアマゾンと提携する地域限定の配送会社だ。その数は現在9社。丸和運輸機関、SBSホールディングス子会社のSBS即配サポート、ロジネットジャパン子会社の札幌通運とロジネットジャパン西日本、そして遠州トラックなどがリストに載っている。しかし、リストの中にあったはずの1社が昨年末から今年にかけて、ひっそり名前を消した。

関連銘柄が下方修正

「(アマゾン向けの)一本足打法でいいのかという問題はある。顧客の分散を進めなければいけない」。5月30日に行った決算説明会で、ファイズの榎屋幸生社長はこう語った。ファイズは人材派遣会社・ヴィ企画の3PL(物流の一括請負)部門が独立する形で2013年に創業。3PLを中心に成長を遂げ、派遣やデリバリーサービスまで事業領域を広げている。

特徴は業務のほとんどをアマゾン向け案件が占めることだ。18年3月期のアマゾンジャパン向け売り上げは7割弱あり、19年3月期も約6割を占めた。今年9月に埼玉県川口市で稼働を予定するアマゾンジャパンの新しい物流拠点でも、ファイズは3PLを請け負うとされ、「数百人から1000人を送り込む規模になる」(榎屋社長)。17年3月に株式を上場しており、市場からは典型的な「アマゾン関連銘柄」と位置づけられている。

同社がアマゾン一本足からの脱却を掲げるきっかけになったのが、宅配を行うデリバリーサービスにおける大型案件の終了だ。19年3月期業績の下方修正を行い、創業来初の営業減益に陥る要因となった。ファイズは「顧客との契約内容については答えられない」とするが、物流関係者の間では「アマゾンからデリバリープロバイダの契約を打ち切られたからだろう」との見解で一致している。