
東京・銀座の数寄屋橋交差点に「銀座ソニーパーク」がオープンしたのは2018年8月9日のこと。かつてのソニービルをリニユーアルし、「ソニーがつくると、公園はこうなる」というコンセプトのもと、銀座のど真ん中にオープンさせたのが、このソニーパークだ。

ソニーによると、利用者の用途で一番多かったのが「休憩」。そして、2番目は「通り抜け」だという。通り抜けるだけの人が多いことは想定外だったのではないかとも思えるが、ソニーパークの運営を担当するソニー企業の永野大輔社長は「狙い通りの成果」と胸を張る。
銀座の一等地で、「休憩」や「通り抜け」のために場所を開放する狙いは、いったいどこにあるのだろうか。
ソニーパークは、2017年3月31日に営業を終了したソニービルの地上部分を撤去。地上1階部分と地下を残して、「公園」というコンセプトでリニューアルオープンしている。

1966年にオープンしたソニービルが老朽化したため、2013年から建て替えプロジェクトを開始。だが、ソニーが選んだのは、2020年に向けて都心の建設ラッシュが続くなかで、あえてビルを建てないことだった。訪日外国人が増え、銀座への来街者が増加するとみられる東京オリンピック・パラリンピックの期間までは公園として利用。2020年秋以降、新しいソニービルを建設する計画だ。
同社が、「公園にする」という選択をしたのは、ソニーの共同創業者である盛田昭夫氏が、かつてのソニービルの建設時にみせたひとつのこだわりが反映されている。
それは、ソニービルの角地にあった「ソニースクエア」の存在である。