イラスト:髙栁浩太郎

上場会社として証券取引所にデビューする新規株式公開(IPO)企業への投資が人気だ。今年は5月までに26社が東京証券取引所に上場し、このうち25銘柄で初の市場取引価格(初値)が上場前に投資家に売り渡す公開価格を上回った。96%の高い勝率である。一方、上場後は急騰・急落が多く、銘柄選びに加えて売買のタイミングも損益を大きく左右する。

「条件次第だが、IPO銘柄への投資はアリだと思う」。マーケットアナリストとしてテレビ番組での解説で活躍する岡村友哉氏は指摘する。手元資金の全額をIPO銘柄に投じるのはリスクが大きく、本来、老後の資産形成という観点からは論外だ。しかし、100万円など損をしても許容できる金額をあらかじめ決め、その範囲内で投資するならIPO銘柄も魅力的な金融商品になるという。

「現実的な問題として、日経平均株価が2倍になるには何年かかるかわからないが、IPO銘柄では1カ月間で2倍高はザラ。最初から選択肢に含めないのはもったいないだろう」と岡村氏は話す。

IPO投資は、上場前と上場後に大別される。冒頭で紹介した今年の勝率96%は、上場前の話だ。

企業が株式を上場する際、上場作業をサポートする証券会社を幹事役に選定し、法定書類の作成や取引所への上場申請を二人三脚で進める。晴れて上場が承認されると幹事役の証券会社が株式を売りさばくことになる。その際、創業家や取引先銀行などが持ち株の一部を放出する「売り出し」と、上場に合わせて株式を追加発行し新たな株主を募る「公募」があり、投資家は売り出しや公募に応募することになる。

家族分の口座を開く投資家も