イラスト:髙栁浩太郎

株式

資産運用と聞いて最初に思い浮かぶのは株式だろう。株価の上昇や配当金で利益を得る代表的な金融商品で、長期運用では預貯金より有利だとされる。

株価を動かすのは市場参加者の期待だ。景気や企業業績に対して株価は3カ月から1年ほど先行して動くといわれる。「予想で買って、発表で売る」との格言があり、主力商品の販売好調や新技術の開発、大胆な経営改革など利益アップにつながる情報が株価上昇をもたらすケースが多い。

初心者にとって大きなハードルとなるのが予算とリスクだろう。

東京証券取引所には現在、3631社の株式が上場し、100株単位で取引されている。30万円以内(1株3000円以内)で購入できるのは3081社あり、30万円の予算で大半の企業に投資できる。

10万円以内に絞ると上場企業の約4割の1447社が該当する。SBI証券、松井証券、マネックス証券などのネット証券会社では、売買代金10万円以下だと手数料ゼロのコースがある。個人投資家の予算は限られるが、単価の安いものを選んで複数銘柄に分散投資すれば、1銘柄への集中投資に比べて株価下落による損失を抑えやすくなる。

次にリスクだ。資産運用の入門書では、株式は元本保証がなく、値上がりが期待できる反面、値下がりのリスクもあると解説されている。証券会社には顧客へのリスク説明が義務づけられている。しかし、株価がどれくらい上昇・下落する可能性があるかは具体的な数字どころかヒントもない。利益と損失の見通しがまったくない状態では、株式投資に及び腰になるのは無理もないだろう。

そこで日経平均株価の過去データを検証してみた。日経平均は東証1部の主要225社を1つの企業に見立てた指数で、「株式会社ニッポン」の株価ともいえる。

2010年6月から今年5月28日までの9年分、2203営業日。この間に東日本大震災(11年3月)やアベノミクス相場開始(12年11月)、消費税率8%(14年4月)、トランプ米大統領当選(16年11月)などを経て、9700円台だった日経平均は2万円を超えた。