三菱UFJは、石炭火力発電の新設案件への融資を今後は原則行わないと表明した(撮影:尾形文繁)

日本の3メガバンクが、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する石炭火力発電に対する投融資を絞り始めた。

三菱UFJフィナンシャル・グループは5月15日、「新設の石炭火力発電所向けファイナンスは原則として実行しない」との方針を発表。みずほフィナンシャルグループも同22日、曖昧だった従来の基準を見直し、「原則、世界最新鋭である超々臨界圧およびそれ以上の高効率の案件に限定する」と明確化した。三井住友銀行はすでに昨年6月、今回みずほが打ち出したものとほぼ同じ内容の方針を表明済みだ。

石炭火力発電や石炭採掘など、地球温暖化への影響が大きい分野に対する資金供給を縮小・凍結し、その方針を対外的にも公表する動きが世界規模で広がっている。すでに欧州の金融機関や年金基金などは、石炭火力発電に関する融資や保険引き受けの打ち切り、投資撤退(ダイベストメント)の動きを強めている。

地球温暖化で危機感

背景には、地球温暖化の抑制を目指すパリ協定が2015年12月に採択された後も、CO2など温室効果ガスの削減が思うように進んでいないことへの危機感の高まりがある。

昨年11月、国連環境計画は「排出ギャップ報告書」を公表。産業革命時からの地球の平均気温の上昇を2度あるいは1.5度に抑えるには、30年時点の世界の温室効果ガス排出を17年比で各25、55%減らす必要があると言及している。だが、各国が現在公約している削減目標を足し合わせてみても、30年時点での排出量は2度および1.5度シナリオでのそれを大幅に上回り、今世紀末の気温上昇は3度に達してしまうという。