たかい・ひろゆき●神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

4月に本欄で筆者は予測不能のトランプ流交渉術がはらむリスクについて警鐘を鳴らした。早速そのリスクが顕在化してきた。

トランプ政権は5月10日、中国からの2000億ドル相当の輸入品の関税率を現行の10%から25%に引き上げる、と発表した。13日には、まだ追加関税対象外である輸入品3000億ドル相当に対しても最大25%まで関税をかける用意があると警告した。USTR(米通商代表部)は6月17日を期限にパブリックコメントを募集。6月末に大阪で開かれるG20サミットに合わせた米中首脳会談で、中国側に決断を迫ると思われる。

トランプ大統領は関税攻撃に加え、15日には米企業に対し中国通信機器最大手・ファーウェイからの製品調達を禁ずる大統領令に署名した。米商務省が追随して、ファーウェイとその関連会社を米輸出管理規則に定めるエンティティーリストに入れることを発表。これにより同社は米商務省の承認なしには米企業から部品を調達できなくなり、一部製品の製造が停止するのは必至だ。