ひろせ・しんいち●1959年生まれ。82年名古屋大学経済学部卒業、東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。東京海上日動あんしん生命保険社長、東京海上ホールディングス専務執行役員など経て、19年4月から現職。(撮影:佐々木 仁)
自動車保険への依存度が高い損害保険会社は、自動運転車の普及など「100年に一度」とされる自動車産業の変革にどう向き合うのか。多発する大規模自然災害への対応も大きな課題だ。4月に就任した東京海上日動火災保険の広瀬伸一社長に聞いた。

──自動運転車の普及で損保の主力商品である自動車保険の市場はどうなりますか。

自動運転車の普及はまだ過渡期であり、一般の自動車と並存する期間が長く続く。その間、自動車保険市場はまだ伸びていくだろう。自動運転車の事故では、責任が運転者にあるのかシステムにあるのかわかりにくいケースが増える。 

事故原因が不明確な場合でも保険金を支払えるように、業界初の「被害者救済費用等補償特約」を開発した。ただ30年ぐらいの長期的なスパンで見れば、完全な自動運転車が広く普及し事故が大幅に減少する可能性があり、自動車保険市場の縮小は避けられない。

──自動車保険市場の縮小を見据えて着手すべきことは何でしょう。