いはら・けいこ●法政大学経済学部卒業。レーシングドライバー。2018年6月から日産の社外取締役。ソフト99コーポレーション社外取締役も務める。(撮影:吉濱篤志)
日産自動車はカルロス・ゴーン前会長による不正を受け、コーポレートガバナンス(企業統治)を強化するため、11人の取締役候補を含む新しい経営体制を発表した。取締役の人選を担った暫定指名・報酬諮問委員会の井原慶子委員長(日産社外取締役)にその狙いを聞いた。

──取締役会は6月の株主総会後、社外取締役が過半数になる予定です。どのような基準で社外取締役候補を選んだのですか。

ガバナンス改善特別委員会(以下、特別委員会)による報告書の提言を尊重することが大前提だった。暫定指名・報酬諮問委員会(以下、暫定委員会)では取締役会の人数についてまず議論した。スピーディーな意思決定や実効性において11人が妥当ではないかと考え、100人以上の候補者から絞り込んだ。

企業経営経験者や自動車産業およびものづくりの経験・知見がある人、監査や法律の専門家など、特別委員会で議論した日産における独立社外取締役の要件を踏まえて、多様性を考慮したうえで人選した。

──ゴーン前会長時代は取締役会も機能不全に陥っていた、とガバナンス報告書は指摘しています。井原さんは約半年、その取締役会に出席しています。

取締役会に出席したときに形骸化していると感じた。具体的には、時間が短く、全体的にもっと議論を活性化できるのではないか、議事も拡大できるのではないかと思ったので、2回目には意見させてもらった。ゴーン前会長が逮捕された後、取締役会の活性化のために議事を拡大することを決議し、現在はすごく活発な取締役会になっている。

──西川廣人社長はゴーン氏の最側近の一人でしたが、不正を見抜けませんでした。業績悪化も含めて、その責任があります。暫定委員会として、西川社長の続投を推した理由は何ですか。