捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む(橋本卓典 著/講談社現代新書/860円+税/256ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】はしもと・たくのり/共同通信社経済部記者。1975年東京都生まれ。慶応大学法学部政治学科卒業。2006年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁などを担当。著書に『捨てられる銀行』『捨てられる銀行2 非産運用』『金融排除』など。

本書は、ベストセラーになった共同通信社の橋本卓典記者による、『捨てられる銀行』シリーズの続編である。また日本版「金融排除」の問題点を鋭く指摘した著者の『金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実』と同じ問題意識に立脚している。

バブルの崩壊と「金融処分庁」による圧政の時代を経て、企業の実態を見る力を失ったことが、銀行というビジネスモデルを根幹から揺るがしている。

2015年の森信親長官の時代になり、金融庁はようやく時代の役割を終えたことを自ら認め、「金融育成庁」に転換し始めた。しかし、銀行はもはやリスクテイクという金融の本質を忘れ、目先の利益だけを追う存在に変質してしまった。不良債権を生み出しにくく、貸し渋りをしない、それでいて地域と顧客には寄り添わない「異様な健全銀行」が続々と誕生したのである。