今年発表されたドイツの「国家産業戦略2030」は、政府の補助金に支えられた中国企業との競争からドイツ企業を守ることを狙いとしている。同戦略では政府が特別に支援する基幹産業が示され、電気自動車(EV)用電池の産業基盤を確立し、企業統合によって規模の経済を追求していくとされた。専門家からは、このような政策は計画経済にほかならず異常だ、との批判も出ている。

だが、問うべきはイデオロギー的な正しさではなく、政策が実際に機能するかどうかだろう。

なるほど、産業政策は経済学者の間では評判が悪い。競争力を失ったゾンビ企業の延命に使われることが多いからだ。しかし、支援対象の市場占有率が高く、戦略的に重要なセクターとなると話は違ってくる。欧州のエアバスと米国のボーイングがいい例だ。エアバスに対する補助金は実際、エアバスがボーイングからシェアを奪うのに役立っている。