ささき・とおる●2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

日本銀行の金融政策が行き詰まっているように見える。「イールドカーブ・コントロール」政策を導入した2016年9月以来、大幅な政策変更をしないまま3年近くの月日が経過している。

この間、「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)」の前年比はプラス1.0%程度まで上がってきたが、一度もプラス1.0%を上回っていない。一向に目標の2%には届く気配がない。

しかし、過去6年半に及ぶアベノミクスの「3本の矢」の中で、市場に最も強力な影響を与えたのは、第1の矢である「大胆な金融緩和政策」であったことも事実だろう。日銀は13年1月にインフレ目標を掲げて以降、イールドカーブ・コントロール政策の開始までは、矢継ぎ早に新しい政策を導入してきた。

この間、日経平均株価は約3倍の水準まで上昇した。ドル円相場は実質的には大幅な円安で推移し続け、国際情勢の混乱などで株価が大きく下落しても、さほど大きく円高に振れなくなっている。