厚労省に上限時間見直しを求める要望書を提出する中原のり子氏

今も昔も医療界の頂点に君臨する医師たちだが、その長時間労働は深刻だ。

罰則付きの残業上限規制を柱とする働き方改革関連法が、今年4月から順次施行されている。残業は原則、月45時間、年360時間までとされ、特別な事情があっても月100時間未満、年720時間に制限される。ただ、規制の適用が5年間猶予される業種が3つある。運送業、建設業、そして医師だ。

3月末、医師の働き方改革を議論する厚生労働省の検討会が報告書をまとめた。5年後に医師(勤務医)に適用される残業規制がその中心で、一般の医師の上限は原則年960時間(月80時間相当)とされた。休日労働を含めた一般の労働者と同じ長さであり、検討会でも異論は少なかった。

問題となったのは、「超長時間労働」を認める例外の扱いだった。報告書では2種類の医師に適用される特例的な上限を年1860時間とした。これは月155時間の残業に相当し、「過労死ライン」とされる月80時間の実に2倍近い水準となる。特例対象は、地域医療の維持に不可欠な病院の勤務医と、希望する研修医などだ。