新聞社主催の集会を伝える記事体広告。広告費も医師への謝礼も製薬会社持ちだ

製薬会社からマスコミへの金の流れはガラス張りになっているだろうか──。

病気や薬の情報は、マスコミを通じて患者に届く。そのマスコミに製薬マネーが流れ込めば、患者に必要な情報ではなく、製薬会社の宣伝に内容が偏る可能性がある。宣伝ではなくても、製薬会社に不利な情報は載らない場合もある。

医師個人への支払いは、製薬各社は2014年から公開している。しかしマスコミへの支払いはブラックボックスのままだ。

ここに朝日新聞社の内部文書がある。朝日新聞社が医師を招いて開いた催しに関する経理資料だ。

15年4月1日、朝日新聞の1面に「医師に謝礼 1000万円超184人 製薬会社、講演料など」という見出しの記事が載った。経理資料は、この記事が載った後に急きょ作られたものだ。

社説を取りやめ、朝日新聞が社内調査

朝日新聞はこの記事を受けて掲載する予定だった社説を取りやめ、営業部門の情報を集約した。「自分たちも同じようなことをやっている。それを棚に上げて製薬会社と医師を批判できない」(朝日幹部)というのが取りやめの理由だ。

経理資料には、製薬会社との「蜜月」をうかがわせる案件がいくつもあった。例えば、以下だ。

  • 日付(採録等掲載) 2014年4月27日
  • 催事・企画名 第78回日本循環器学会市民公開講座
  • 広告主 第一三共
  • 名義等 朝日新聞社主催
  • 掲載料 27,200,000
  • 事業費 0
  • 支払い元 広告主

同様の催しを手がけた第一三共の関係者は資料をこう読み解く。「朝日の主催で循環器学会の市民講座を開いたが、費用は医師への謝礼も含め第一三共が負担したということ。2720万円というのは朝日が講座の内容を広告として掲載し、第一三共が支払った料金。朝日は元手をかけず利益を得る『ぬれ手に粟』だ」。