執念深い貧乏性(栗原 康 著/文藝春秋/1800円+税/277ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】くりはら・やすし/1979年生まれ。政治学者。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝─永遠のアナキズム』『村に火をつけ、白痴になれ─伊藤野枝伝』『死してなお踊れ─一遍上人伝』『アナキズム─一丸となってバラバラに生きろ』など。

読者を選ぶ本だろう。タイトルからは内容を想像できず、目次を眺めたら困惑してしまうはずだ。第1章「どすこい貧乏、どすこいセックス─女力士はエイリアン」から始まり、この調子で第12章「ババア一擲─なにがわたしをこうさせたか」まで続く。あえて書評らしく紹介すれば、「アナキズム(無政府主義)を専門とする著者が現代の課題を先人の生き様と結びつけ、型にはまらない文体でその解決の処方箋を綴(つづ)った1冊」となろうか。

取り扱う話題は安倍政権、奨学金、共謀罪、都政、天皇制からキムチ、即身仏まで。通底しているのは、何にも支配されないと隷属を拒否する著者の意志である。