3月、スタディアを発表したグーグルのスンダー・ピチャイCEO。有料会員制のビジネスになるとみられている

巨大なコンピューターネットワークを擁するITの巨人が、次なる金脈として目をつけたのは「クラウドゲーム」だった。

米グーグルは今年3月、クラウドゲームサービス「Stadia(スタディア)」を発表した。年内には、欧米で提供が始まる見通しだ。最大の特長は、専用のゲーム機や高性能のパソコンなしで大作ゲームが遊べること。グーグルのデータセンター上でデータの処理がすべて行われるため、スマートフォンや普通のパソコンなど「画面」があればいい。

スンダー・ピチャイCEOは発表の場で、「ウェブの進化と同様に、誰でもすぐにアクセスし、プレーできるようにしたい」と語った。サービスと同時に、どのデバイスにも対応する専用コントローラーも披露した。この発表直後、家庭用ゲーム機を展開するソニーと任天堂の株価は大幅に下落した。

クラウドゲームサービスを始めるのはグーグルが初ではない。2000年に日本企業が初めてデモを公開して以降、ソニーの「プレイステーション(PS)ナウ」、米エヌビディアの「ジーフォース・ナウ」などが展開されてきた。が、成功しているサービスは皆無。現在のスタディアに最も近い構想を持っていたのは、スクウェア・エニックスの子会社として14年に設立された、シンラ・テクノロジーだ。社長だった和田洋一氏は、「将来のゲームは確実にクラウド化するとみて、新時代のゲームを考える実験の場を作ろうとした」と振り返る。ただ事業化には至らず16年に解散した。なお、当時シンラが米国での通信環境を整えるために交渉していたグーグルの社員が、スタディアの立ち上げメンバーの一人だ。