週刊東洋経済 2019年5/25号
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次世代通信であらゆる産業が激変

今年9月、第5世代移動通信システム「5G」がいよいよ日本でお目見えする。ラグビーワールドカップの日本開催に合わせ、NTTドコモが会場内で5Gを使ったマルチアングルの映像視聴環境を観客に提供する。同じく5G用周波数の割り当てを受けているKDDIやソフトバンクも、ほぼ同時期でのサービス提供を目指している。

ただし、これらはまだプレ商用化の段階。新規参入の楽天モバイルを含め、各通信キャリアは2020年春以降に本格商用化を始めようとしている。

「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特長を持つ5Gは、さまざまな産業を根底から変える可能性がある。

1Gから4Gに至るまで通信速度は着実に向上してきたが、通信ネットワークのタイムラグを極めて小さく抑える超低遅延、基地局1台から同時に接続できる端末を飛躍的に増やす多数同時接続は、これまでの世代にはなかった大きな特長だ。

超低遅延によって、高い安全性が求められる自動運転ではリアルタイムの通信が可能になり、工場におけるロボットの遠隔制御や遠隔医療も実現できる。多数同時接続は、家電や自動車など身の回りのあらゆる機器がつながるIoT化を促進する。

通信速度においても現在の4Gの10倍になり、2時間の映画を3秒でダウンロードできるなどの進化がある。総務省は5Gによる経済効果を約47兆円と試算しており、英調査会社のIHSマークイットは世界で約12兆ドルになると予測している。

「本格的な盛り上がりは20年以降だ」。そう語るのは通信測定器大手、アンリツの濱田宏一社長だ。同社は半導体チップやスマートフォンメーカー向けの需要拡大が見込まれ、株式市場からの関心が高い。5Gに関連する銘柄の裾野は広く、基地局関連では伊藤忠テクノソリューションズやネットワンシステムズといったネットワークインテグレーターなどが脚光を浴びる。ほかにも電子部品やゲームソフト、動画配信の事業者が「5G銘柄」として株価上昇が期待されており、投資家にとっても5Gは一大トピックになっている。

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