まつもと・かずや●音声表現コンサルタント・ナレーター。1991年、NHKにアナウンサーとして入局。2016年から株式会社マツモトメソッド代表取締役。

社長、役員などのプレゼンテーションやスピーチを聞いていて、いつも思うことがあります。それは「頭のいい人ほど話がわかりにくくなる」傾向にあるということです。今回は論理性へのこだわりがかえって話の伝わりにくさを招くというお話です。

社長や役員、あるいは社を代表してプレゼンする方は、立場上、どうしても慎重な物の言い方にならざるをえません。心の中には「後で厳しい指摘を受けないようにしなければ……」という思いがつねにあると思います。

そのために、前提条件や例外などがあることを先に断っておきたくなってしまう。結論に至るまでの過程を正確に理解してもらえるよう、論理的に順を追って説明したくなる。あるいは文の最後に「ということも考えられる」など、断定を避ける表現を使ってしまう。