最近の京都の街はいつ訪れても観光客の波に圧倒される。阪急電鉄京都線の河原町駅を降りて、木屋町通を高瀬川に沿って御池通方面に歩けば、平日・休日に関係なく大勢の観光客でごった返している。夜のとばりが下りるころ、河原町から東へ進み、鴨川に架かる四条大橋を渡っていくと、右手が祇園である。花見小路を南に下がると、小料理屋やおしゃれなバー、カフェが軒を連ねるが、このかいわいも人いきれでむせ返る。

京都は古くから観光で栄えてきた。だがこの街は、観光地であるだけでなく、多くの企業を生み出してきた街でもある。世界トップの総合モーターメーカーである日本電産、大手電機機器メーカーのオムロンをはじめ、京セラ、ローム、村田製作所、任天堂、島津製作所、ワコールなど名だたる企業が本社を置いている。

京都は独自の文化を築き、どちらかといえば閉鎖的な風土でもある。それらが相まって、長らく観光はあくまでも二の次、という位置づけがなされてきた。