前記事で見てきたように、将来の環境変化を見据えAIを軸にした近未来型の店舗を志向する小売企業は少なくない。そういった小売り各社の動きを商機と捉えるIT企業がある。

米アマゾンが無人キャッシュレス店舗「アマゾンGO」を造ることができた背景には、傘下のクラウド子会社、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の存在がある。AWSは画像認識などのAIや棚のセンサーなどを活用したIoT(モノのインターネット)の仕組み、顧客の購買動向などの膨大なデータを格納するストレージ機能などさまざまな「部品」を持っており、これらを組み合わせて店舗の構築を可能にしている。

「サービスがそろっているので、顧客の要望に合わせて組み合わせて、1週間で簡単なプロトタイプを作ることもできる」(AWSジャパンの岡嵜禎・技術本部長)

ただ小売業界はAWSを頼ることに及び腰。ネット通販で競合するアマゾンという敵に「塩を送りたくない」との感情が強いのだ。

そこに目をつけたのが、米マイクロソフトだ。昨年はウォルマート、GAP、クローガー、ウォルグリーンズといった米小売り大手と相次いで戦略的提携を結んだ。AWSに次いで世界シェア2位のクラウドサービス「アジュール」を用いて、小売店舗のデジタル化を支援する構えだ。