トライアル|九州発スーパーの「メディア」化戦略

福岡市に本社を構えるトライアルホールディングス(HD)。同社は4月下旬、おひざ元の福岡県新宮町にディスカウントストア「メガセンタートライアル新宮店」をオープンした。

数カ月をかけて既存店を改装した新店舗への顧客の注目度は、抜群に高かった。開業初日に足を運んでみると、開店する朝8時半には、すでに100人超の行列ができていた。周辺の駐車場も満車の状態。夫婦で並んでいた60代の女性は、「開店セールで商品がとても安くなるので楽しみにしていた」と話してくれた。

この店舗に熱い視線を注ぐのは消費者だけではない。開店初日には、背広を着たビジネスパーソンの姿が少なくなかった。

新店舗は通常の小売店舗ではなく、AI(人工知能)を活用した仕組みが採用されている、いわゆる「AI店舗」だ。近未来型店舗のあり方を模索している食品スーパーやメーカーといった小売関係者がこぞって関心を寄せている。

売り場には、一般的なスーパーでは見慣れない光景が広がる。大型のデジタルサイネージがずらりと並び、天井にはスマートフォンほどの大きさの「AIカメラ」が無数に吊り下げられている。トライアルHDが自社開発し、店内に設置したこのカメラは、その数およそ1500台。こうした機材をAIによって管理・運用して、店舗運営にフル活用している。

4月にリニューアルオープンした「メガセンタートライアル新宮店」。開店前から地元客で大行列