ジンコソーラーの生産ライン。最新鋭の工作機械が並ぶ(提供:ジンコソーラー)

脱炭素化実現のカギを握るエネルギーとして最有力視されているのが太陽光発電だ。日本での導入量は2018年12月末時点で約48ギガワット(約4800万キロワット)に達し、5年間で約5倍へ急拡大した。

今後の政府目標として、「30年度に64ギガワット」が掲げられている。しかし、「この目標は20年代初頭に実現され、30年にはその2倍以上となる約150ギガワットの導入が可能」と予測するのが、太陽光発電の専門調査会社である資源総合システムの一木修社長だ。太陽光発電の導入環境が改善され、技術開発も加速したケースでの想定だ。

実現のカギとなるのは、太陽光パネルを含めた太陽光発電システム全体のコスト低減だ。下図にあるように、同システムの価格は今後も緩やかな下落が想定されている。30年の予想価格は17年末実績に比べ、小型の住宅用で6割減、大規模なシステムでほぼ半減となる。建設関係工賃の上昇などがあっても、中国製など海外低価格品の流入や施工技術習熟による工数低減などが見込めるからだ。

一木氏によれば、「太陽エネルギーは、出世魚になぞらえて出世エネルギーと呼ぶことができる」という。灯台や人工衛星など超特殊用途の電源として1960年代に技術開発が始まった後、80年代には電卓や時計の電源に用途が拡大。90年代には発電用設備として送配電線との接続が実現した。さらに00年代にはドイツなどでの固定価格買い取り制度(FIT)導入に伴って需要が急増し、「経済性では現在、国際的に見れば、火力発電など在来型発電システムと競合できる水準に達した」(一木氏)といわれる。