「リーマンショックから約10年後の現在、金融システムの最大のリスクは何か」──。米議会下院で4月に開かれた公聴会で、米大手金融機関7社の最高経営責任者(CEO)が議員から問われた。世界景気の減速やノンバンク問題などの回答もあったが、最も多い5人が筆頭に挙げたのが「サイバー攻撃」だった。

2014年に8300万件の顧客情報を盗まれたJPモルガン・チェースのダイモン氏は「サイバー攻撃は地球規模の最大脅威」と述べ、年間対策費が6億ドルに上ると証言。モルガン・スタンレーのゴーマン氏は、年間対策費が5年前比で8倍の4億ドル強に増えたことを明らかにした。

今年1月のダボス会議では、日本銀行の黒田東彦総裁も警告を発している。「今後数年で、サイバー攻撃はおそらく最も深刻なリスクとなる。われわれは入念にシステム強化策を考えねばならない」。