4月21日、スリランカの最大都市コロンボなど3都市で、キリスト教会や高級ホテルなど8施設が狙われる爆発が起きた。〈この日はキリスト教のイースター(復活祭)にあたり、スリランカ政府はキリスト教徒や外国人を狙ったテロとみて捜査している〉(4月21日「朝日新聞デジタル」)ということだ。

事件による死者は、4月24日現在で、日本人女性1人を含む359人に上っている。今後、新たな犠牲者が判明する可能性もある。本件は、イスラム原理主義過激派によるテロの可能性が高い。

〈スリランカの連続爆破テロ事件で、当局が関与を断定したイスラム過激派組織ナショナル・タウヒード・ジャマート(NTJ)が過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う動画が公開された。NTJとISのつながりを示す情報はほかにもある。動画の内容が事実なら、ISの過激思想のアジアへの拡散ぶりを示すものになる。/動画は1分間弱で、IS系のアマク通信が23日に配信。8人が円陣を組むように手を重ね合わせ、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者に忠誠を誓う様子が映っている。その中心で唯一覆面をしていない男が、宗教家でNTJのザハラン・ハシム指導者とみられる。バグダディ容疑者を預言者ムハンマドの後継者を意味する「カリフ」と表現し、「バグダディ師に忠誠を誓う」と述べている。/ハシム指導者が、インドのISメンバーと接点があったことも明らかになった。CNNなどによると、インド当局は拘束したISメンバーの取り調べの過程でハシム指導者の名前を把握。ハシム指導者が過激思想に染まったのは、このメンバーによる「教育」の影響だったとみている。/ハシム指導者はフェイスブックなどで「仏教やキリスト教は異端」などと訴える動画を配信。今回、自ら自爆テロに及んだとみられる。〉(4月24日「朝日新聞デジタル」)

ちなみに爆弾を使用したテロの背後には、必ず組織がある。自爆テロの実行犯が、爆弾を製造するノウハウを持っているわけではない。また、同日に連続爆破を行うためには、入念な下調べが必要になる。このようなことができる大規模なネットワークにハシムが組み込まれていたとみるのが妥当だ。想定されるのは、中堅国家レベルのインテリジェンス能力を持つISだ。シリアから追われたISがアジア地域に拡散している。これまでも中央アジアのタジキスタン、ウズベキスタン、東南アジアのインドネシア、フィリピンでIS系過激派の動きが警戒されていた。ISとしては、テロ対策機関の裏をかき、スリランカを標的にしたのであろう。