もりた・ちょうたろう●慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

日本の連休中の5月1日、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合が開かれ、その後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見が行われた。市場の利下げ期待を若干後退させる内容ではあったものの、市場に与えるインパクトは前回3月のFOMCに比べてかなり限定的なものとなった。

1〜3月にFRBのハト派への傾斜が鮮明になったわけだが、何といっても3月のFOMCで示されたドットチャート(メンバーの政策金利予測をプロットした図)が「年内利上げなし」を示唆したことは、大きなサプライズとなった。これを受けて、3月末の時点で市場は年内の1回以上の利下げを織り込んでいた。今回の会見では、市場の期待をやや引き戻すような意図を持ってコミュニケーションが行われたようにも見えたが、市場の利下げ期待は大きく剥落するまでには至っていない。

市場が中央銀行のメッセージをどう受け取るのかは、その時点での景気や物価の状況、政治などさまざまな材料次第でもある。