(イラスト:谷山彩子)

世界一有名な絵画は?と問われれば、多くの人は即座に『モナ・リザ』と答えるのではないでしょうか。その作者は言うまでもなく、「史上最高の画家」という評価をほしいままにするレオナルド・ダ・ヴィンチです。彼の名前は「ヴィンチ村のレオナルド」という意味なので、ここではレオナルドと表記します。

よく知られているとおり、レオナルドは絵画領域のみにとどまらず、武器や橋の設計など工学・建築分野、また水や光などの自然科学分野、あるいは生物や人体などの生物・医学分野でも先進的な研究を行っていました。同時に、イタリアの有力政治家であるチェーザレ・ボルジアをはじめとした時の権力者に対し、政策や軍事面でのアドバイザーも務めていたのです。

これを今風に表現すれば、レオナルドは次のような人物であったといえます。アーティストとして世界的な名声を獲得しながら、研究者として物理・医学・生物学で画期的な論文を発表しつつ、同時に工学・建築のイノベーションで世間の度肝を抜き、おまけに国家元首に政策や外交についてのアドバイスをしている、という状況です。とてつもない知的生産性の高さです。

いったいここまで高い生産性を発揮できた要因は何でしょうか? 理由はシンプルで、それは彼が「わがまま」だったからです。わがままというのは一般にネガティブな性格だと考えられていますが、そうではありません。