4月9日、政府は新1万円札、5000円札、1000円札のデザインを発表した。1万円札に渋沢栄一の肖像が用いられることに韓国メディアが反発している。〈【ソウル=恩地洋介】新たな1万円札に描かれる渋沢栄一を図柄にした紙幣は大韓帝国下で1902年から04年に発行された経緯があり、韓国メディアは(4月)9日、日本の紙幣刷新を批判的に報じた。聯合ニュースは、当時紙幣を発行した第一銀行頭取を務めた渋沢栄一を「朝鮮半島を経済侵奪した象徴的人物」などと伝えた。/渋沢栄一が設立した第一銀行は02年に1ウォン券、5ウォン券、10ウォン券の3種類を当時の大韓帝国下で発行した。聯合は日本が軍事的圧力を背景に紙幣の流通を図ったと指摘し「植民地支配の被害国への配慮が欠けているとの批判が予想される」と主張した。公営放送のKBSも渋沢栄一を「経済的に朝鮮半島を従属させた人物」と紹介した〉(4月9日、日本経済新聞電子版)。

このような対応は、日本からすれば難癖のようにしか見えない。しかし韓国人からすれば、日本で過去の植民地支配を肯定するナショナリズムが高揚するように映るのだ。韓国の論理を端的に示しているのが、韓国経済新聞の解説だ。〈国の最初の象徴が国旗ならば2番目は紙幣だ。だれでも毎日使い外国人も最初に接し人々にはなじみ深い。国ごとに紙幣デザインを総合芸術と考え、国のアイデンティティと歴史・文化を盛り込むのに心血を注ぐ理由だ。/(中略)中国は1999年に紙幣の図案を全面改編しすべての紙幣の表面を毛沢東の肖像が独占することになった。それまでの旧100元札に毛沢東と建国の主役の横顔を入れ、少数民族の肖像を入れたのと対照的だ。旧2角札には朝鮮族の肖像もあった。/一昨日日本政府が1万円札に渋沢栄一(1840~1931)を採用するなど紙幣の人物を全面改編すると発表して議論を呼んでいる。渋沢は第一国立銀行、東京証券取引所、東京ガスなど多くの機関・企業を設立し「日本経済の父」と呼ばれる。/日本では称えられるだろうが韓国としてはあまり愉快でない。彼が大韓帝国の近代貨幣発行、鉄道敷設、京城電気(韓国電力の前身)を通じて経済浸透を先導したためだ。日本は既存紙幣も明治時代(1868~1912)の人物だ。中国の紙幣の毛沢東一色のように日本指導層の精神的背景を読み取れる〉(4月11日、韓国経済新聞。中央日報日本語版による)。