「失われた20年」といわれるように、日本経済は長期にわたり停滞している。政府は経済を回復させるために、大規模な財政出動とゼロ金利政策、量的・質的金融緩和、さらにはマイナス金利政策などを実施してきた。これらの政策は一時的な回復をもたらしたものの、日本経済を完全復活させるに至っていない。背景には高齢化という構造問題がある。

本稿では「高齢化の下で金融・財政政策の有効性が低下する」という筆者らの研究を紹介したい。

日本の持続的な経済停滞の根本的な原因は、高齢化と労働人口の減少だ。高齢化の度合いを測る「老齢人口比率」(15~64歳人口に対する65歳以上人口の比率)は2018年に47%で、その高さは世界で突出している。国連の将来人口推計は、日本の老齢人口比率のさらなる上昇を見込み、50年には7割程度と予想する。

少子高齢化に伴う労働人口の減少も深刻だ。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると、15~64歳の生産年齢人口は18年の7516万人から50年には5275万人へと減る。約2200万人という減少幅は、オーストラリアの人口とほぼ等しい。

人口構造の変化は、どのような影響を経済に与えるのだろうか?