たなか・あいじ●1951年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、米オハイオ州立大学で博士号取得。道都大学、東洋英和女学院大学、青山学院大学を経て、98年早大政治経済学部教授(計量政治学・政治過程論)。教務担当の理事を経て、2018年11月に17代総長に就いた(任期は22年11月まで)。(撮影:尾形文繁)

──2032年に向けた「ワセダビジョン150」という長期プランがあります。具体的には何を優先していますか。

「ビジョン150」では、教育、研究、文化推進などを掲げ、さらに細かく具体的目標や行動計画を定めている。その中で5つを重点的に進める。

最優先は研究力を上げること。そのために、海外研究者との交流を進めたい。2カ月とか半年とかいった単位でよいから早稲田で共同研究をしてもらう。海外の一流研究者が滞在して教育もしてくれれば、学生にもよい効果がある。

2番目に力を入れるのが教育力の強化だ。シラバス(授業計画)に基づいての授業や教員が学生の相談に乗るオフィスアワーは導入しているが、今後必要なのは、科目をより体系的に学べるようにして、授業の重複をなくすこと。授業にコースナンバリングをして、どの順で科目を履修すればよいかを体系的に示したが、まだまだ内容の重複する科目が残っている。教員同士が相談して重複がないようにすれば、教員の労力が軽減され、研究・教育に時間を振り分けることもできる。

3番目が教員の国際公募と「テニュアトラック制」。これは研究力のアップとも密接に関連するが、国籍に関係なく教員を採用する。私の出身である政治経済学部には専任教員が103人いるが、そのうち外国籍が11人、6人は日本語が苦手だ。「今は研究業績が自分より劣っていても、いずれ自分を追い越すであろう人を採れ」とハッパをかけている。さらに若手の優秀な教員を確保するために、期限付きで教員を採り業績を審査したうえで終身雇用に移行するテニュアトラック制を全学に導入したい。採用、即、終身雇用ではなく、優秀な若手教員を呼んで育てたうえで本採用する。