読み返したい!『第一次世界大戦の起原【改訂新版・新装版】』

『第一次世界大戦の起原【改訂新版・新装版】』ジェームズ・ジョル 著/池田 清 訳/みすず書房/2017年/4500円+税(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

今年は第1次大戦後のパリ講和会議100周年。日本は戦勝5大国の中で、唯一のアジアの国として国際舞台にデビューした。評者は第1次大戦こそが、人類にグローバリゼーションを意識させる端緒になった出来事であると考える。

国際経済の相互依存と摩擦、国際安全保障体制としての国際連盟とその挫折、ロシア革命後のイデオロギー対立、民族自決と植民地解放などさまざまな領域の問題が世界で共有された。まさに現代史の出発点だ。

『第一次世界大戦の起原』は、そうした新たな時代の予兆を、学説的な説明と歴史の物語性を織り交ぜながら、スリリングに描いている。

第1次大戦の原因はいまだに議論が絶えない。第2次大戦の元凶がヒトラーおよびナチスであったことに異論はないだろうが、ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム2世だけに第1次大戦の原因を帰すことができるのか。大戦争は歴史のさまざまな要因の集積の爆発だ。本書には、多くの謎を秘めた第1次大戦を通して現代史とは何かを改めて考えさせられる。