読み返したい!『続「甘え」の構造』

『「甘え」の構造』土居健郎 著/弘文堂/1971年/1300円+税(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

一般の日本人は相手が目上だと、サンキューのつもりでソーリーを意味する「すみません」を使う。『「甘え」の構造』は、日本人が他人の中に自分と同じ何かを見つけようという感覚を「甘え」という概念で説明した。この「甘え」がリスクを避け、調整に限りなく手間取る日本の『調整文化』をつくり上げている。

リスクを避け続けた平成の30年。その間、急速に進んだ日本の衰退の本質を理解するには、「甘え」を無視できない。ガラパゴス化した日本企業の停滞の裏には「甘え」の構造が過剰に根を張る社会が透けて見える。

とはいえ、現実の組織とその人間関係の中で「甘え」がどのような役割を果たしているのかはいま一つ明確ではない。長年、組織風土改革(組織開発分野)に携った評者から見て、日本人の最大の特徴は「共感力の強さ」で、それは相互依存的な「甘え」に由来すると考えている。

閉鎖性の強い集団における共感力は、注意しないと忖度(そんたく)や同調圧力につながり、組織の活力を奪う。課題は共感力をどうプラスにできるかだ。